皆さんは会社や学校、政治などが、最近ちょっとおかしい、妙な決定がなされている、変な方向に進んでいる、などと感じたことはありませんか?
だいぶ前のことになりますが、東京オリンピックの開催に関連して、様々なニュースが報道されていました。
その中でも、一番目にすることが多かったのがオリンピックのメインスタジアムとなる会場の建設費用の問題です。
夢のあるオリンピックですからお金を沢山かけても良いだろうという意見もわからないでもありませんが、、日本の財政事情や諸外国との兼ね合いをみる限り、当初算出された建設費がなぜあのように高額になってしまったのか、疑問符がついた方も少なくなかったのではないでしょうか。
また以前に、東北復興のための支援金が、東北と離れた地域の運動競技場などの修繕に割り当てられたというニュースが流れていたこともありました。
こういったニュースは一般的な庶民・普通の人の感覚からすると、
「ちょっと見直した方がいいんじゃないのかな」「ちょっとおかしいんじゃないかな」
と思ってしまいますが、実はこういったことや組織内で不正・不祥事が起こってしまう理由の一つは集団心理・集団思考に原因があります。
人間は個人でいる時は冷静な思考、正しい判断が出来ていても、集団になるとそれが必ずしもそうでない方向に進んでしまうことがあるのです。
これを社会心理学では集団思考・集団的浅慮と言います。
例えば、ある英会話スクールの広告に、
「グループレッスンだと、ついわかったふりをしてしまう・・・」
と書いてありましたが、このように人間は個人でいる時と、集団でいる時では考えや反応の仕方が変わってしまうことがあります。
会議の席で、上司や権力を持った人が 「この案でいこうと思う!」と言った時、
「それはおかしい・・・」
と思ったとしても、皆さんは発言や反論出来るでしょうか。
多くの場合、異を唱えることによって、自分が集団から排除されたくない、不利益を被りたくないなどの心理が働き、同調してしまうと思います(権威への服従)。
このように人が集団となって意思決定を行うと、個人でいる時とは異なる、個人では考えられないような結論が導き出されてしまうことがあるのです。
集団で話し合うからといって、必ずしも正しい決定や素晴らしい案が出るとは限らないのです。
集団で意思決定を行った場合、個人の意思決定より、より冒険的で危険度の高い結論に傾くことを、
社会心理学ではリスキーシフトと言います。
この場合、どうぜみんなで決めたことだから、自分一人に責任がのしかかる訳ではないという心理が働き、よりリスキーな決定がなされてしまいます。
オリンピック会場の建設費のケースはまさにこれですね。
(国家予算や財政赤字が膨れあがったりする原因の一つもここにあります)
ちなみに、個人の見解より無難で安全な方向に結論が傾くことを社会心理学ではコーシャスシフトと言います。
このような現象を防ぐために組織や会議のリーダー、政治家の方が心がけるべく点は、まず集団ではこういったおかしな意思決定の現象が起こる可能性があるということを理解しておくことです。
特に特定の人や場所に、権力や意思決定の機能が集中している場合は注意が必要です。
多くの人が会する場で、「何か意見はありますか?」などとやる古典的な会議の方式では、おかしな意思決定がなされる確率が高まりやすくなります。
重要な意思決定を行う会議においては、組織の構成員が反対意見も含めて自由に意見出来る環境・風土づくりを心がけることなどが必要となります。
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