Q.電話でのクレームが多く、うなづくなどの動作が役に立たないと思ったことがあるので、電話の時に特に気をつけるべきことを教えて欲しい。
Q.以前クレームを受けて話を自分なりに一生懸命聞き、「はい」「はい」と相づちを打っていたら・・・「本当にわかってんのか!!」「はいしか言えないのか?!」と逆に怒られてしまいました。受け方が悪かったのでしょうか?
Q.電話でのクレーム対応でも研修で学んだことと同じことが言えますでしょうか。
電話でのクレーム・苦情対応の場合、お客様からいたしますと、皆様のお顔や動きが見えないため、、
「うなづく」などの行動があまり効果的でないように思えますね。
対面でしたら、頭を動かしながらしっかりうなづくことで、お客様の発言を「しぐさ」によって肯定・承認していくことができます。
しかし、電話ではお客様には頭の動きが残念ながら見えないので、どんなに一生懸命頭を動かしても、それが伝わりきれません。
電話でクレーム対応をされる時にまず意識しておきたいことは、電話という性質上、お客様にメッセージを伝えられるチャンネルは、
「声」と「話す内容」(言葉) の2点しか基本的にないということです。
実際に対面で会話をされる場合は、頭を深く動かしたり、うなづくスピードを変えたり、表情を変えたりしていくと思いますが、電話の時はこれらを「声」と「話す内容」で表現していく、
ということがポイントになります。
お客様のお話に対して、電話であっても頭を動かしてうなづきながら聴くことに変わりはありませんが、電話の場合はまずはそこに必ずしっかり「声」をつけて、お客様に「リアクションを伝える」ということが大切です。
そしてその時に、「はい」「はい」といった同じ相槌・応答の繰り返しだけですと、どうしても単調で機械的な印象になりやすいので、
「わかります」「おっしゃる通りです」
「なるほど」 「その通りだと思います」
「お気持ちわかります」
といった形でうなづき・応答の仕方にバリエーションをもたせることが大切です。
また先にも述べましたが、対面で話す時には表情に気を使うように、電話の場合は「声の表情」にも充分配慮することが大切です。
「はい 」という返事の仕方だけでも、なんとなく面倒臭さそうに聞こえる人、機械的な返事に聞こえる人、怒ったように聞こえる人、声の出し方・トーンでお客様を不快にさせてしまうことがあります。
声のトーンで申し訳ない気持ちや、お客様のために力になろうとする気持ち、お客様に対する好意を伝えていくことが大切です。
「メーラビアンの法則」を研修でご紹介いたしましたが、話す内容(言葉)より、声のトーンの方がお客様に与える印象は大きくなるため、どんなに「出来る限り対応いたします」と美しい?!言葉を並べても、、声のトーンがそれに伴っていなければ、お客様を不快な気持ちにさせてしまいます。
(因みにカウンセリングでは声のトーン・声によってクライアントさんの気持ちを穏やかにするボイスセラピーも活用していきます)
もう一つは、研修でも扱いましたが、対面の会話でも「はい」「はい」うなづいてはいるけど、、
「この人本当に自分の話聞いてくれてるのかな?」「わかってくれてるのかな?」って不安になることありますよね。
うなづくことは大切ですが、残念ながらそれだけでは不十分です。
そこを解決するのが研修で扱った「バックトラッキング」(おうむ返し)になります。
お客様の話される内容に対して、
「はい」「はい」とうなづくだけでなく、
「〇〇の件で不快な思いをされたのですね」
「〇〇のご対応の件で不快なお気持ちにさせてしまったとのことで、大変申し訳ございません」
といった形で、お客様のおっしゃりたい重要部分をまとめてお伝えしていくことが大切です。
うなづくだけでなく、適時このバックトラッキングを行うことでお客様は、自分の話がちゃんと伝わっている、この担当者はわかってくれているという安心感を感じて、徐々に感情が穏やかになっていきます。
また、「お怒りになるお気持ちよくわかります」といった形で、お客様の気持ちに対して「共感」的な理解を示していくことも大切です。
人は「しっかり話を聴いてもらえている」「この人は自分のことをちゃんと理解してくれている」「自分の気持ちをわかってくれている」このように感じることで、気持ちが少しずつ癒されていきます。
カウンセリングではこういったプロセスを通してクライアントさんの気持ちを癒していきますが、大切なことはどうしたらお客様のお気持ちを安心させられるか、癒せるかという観点をお持ちいただいて、研修で扱った傾聴の技術1〜5までを改めてご確認いただき、それらを「声」と「話す内容」の2つのチャンネルで実践されてみてください。
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